脳血管疾患における障害年金請求のポイント

脳血管疾患とは

脳血管疾患には2つのタイプがあります。

出血性脳血管疾患

脳の血管が破れて出血することから起こるもので、出血した血液は血腫となり固まります。そして血腫のできた周辺の脳細胞が破壊されてします。

血腫が周囲を圧迫すると障害はさらに広がります。

「脳内出血」、「くも膜下出血」がこれにあたります。

 

虚血性脳血管疾患

脳の血管が詰まることによって脳への血流が悪くなり、脳細胞が酸素不足・栄養不足に陥ります。

「脳梗塞」は、血管を詰まらせる原因によって大きく2つに分類されます。

脳の血管に血栓が出来て血管を詰まらせるものを「脳血栓」と言います。

また、心臓など脳以外の血管にできた血栓が血流にのって脳へと運ばれて、その血栓が脳の血管を詰まらせるものを「脳塞栓」といいます。エコノミー クラス症候群と言う名称は聞いたことがあると思います。

初診日と障害認定日

脳血管疾患は突然発症して病院に緊急搬送されるケースが少なくありません。この場合は救急搬送された病院が初診の病院となります。

障害認定日の特例として障害認定基準に以下の記載があります。

神経系の障害により次のいずれかの状態を呈している場合は、原則として初診日から起算して1年6月を経過した日以前であっても障害認定日として 取り扱う。脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から6月経過した日以後に、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるとき。

ただし、脳血管疾患による高次脳機能障害については、1年6か月時点を障害認定日としているので注意が必要です。

脳の代償機能があり、リハビリにより機能が回復することがあります。また、肢体の障害と比べて認知機能や行動の障害は症状固定の概念があてはめにくいからです。

相当因果関係

障害年金の認定においては、「高血圧」と「脳梗塞」または「脳出血」は障害年金の認定においては、相当因果関係は無いとされています。

例えば、高血圧の人が脳梗塞を発症し障害を負った場合、障害年金請求上の初診日は脳梗塞を発症した日となります。

高次脳機能障害

高次脳機能障害とは、脳損傷に起因する認知障害全般を指し、日常生活又は社会生活に制約があるものが認定の対象となります。

その障害の主な症状としては、失語、失行、失認のほか記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。

診断書

後遺症によって診断書が違います。また複数の障害がある場合は2種類以上の診断書を書いてもらい、提出する場合もあります。

・肢体の麻痺:肢体の障害
・失語症:言語障害
・高次脳機能障害:精神の障害

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