請求のポイント<血液造血器・難治性貧血群>

難治性貧血群・再生不良性貧血などで障害年金請求する時のポイント

血液造血器の障害年金請求のポイントについて難治性貧血の1つである再生不良性貧血の事例を元に解説します。

難治性貧血とは

難治性貧血とは再生不良性貧血、赤芽球癆(せきがきゅうろう)、不応性貧血などの特発性造血障害を指しています。

再生不良性貧血や骨髄線維症など難治性疾患克服研究事業における臨床調査研究対象疾患130疾患の対象(いわゆる難病)となっている疾患もあります。

■主な疾患

・再生不良性貧血 

・赤芽球癆 

・不応性貧血(骨髄異形成症候群) 

・発作性夜間ヘモグロビン尿症 

・自己免疫性溶血性貧血

・骨髄線維症 

・先天性骨髄不全症候群

  ・Fanconi貧血(ファンコニー貧血)

  ・先天性角化不全症

  ・先天性赤芽球癆(Diamond-Blackfan貧血)

  ・先天性赤血球異形成貧血(Congenital dyserythropoietic anemia)

  ・遺伝性鉄芽球性貧血

 

再生不良性貧血とは

再生不良性貧血は血液中の白血球、赤血球、血小板のすべての系統が減少する疾患です。 

この再生不良性貧血で骨髄を検査すると骨髄組織は多くの場合脂肪に置き換わっています。 

この状態では血球が作られていません。

 そのために貧血症状や感染による発熱などが引き起こされます。

再生不良性貧血の重症度基準 (平成16年基準)

血液・造血器の障害に関する障害認定基準だけではなく、再生不良性貧血の重症度を示す基準がありますので、こちらも見るようにします。 

stage1、2とstage3、4、5では治療法が変わってきます。ですから、重症度がどのstageであるかは大切なポイントとなります。

stage1 軽症 下記以外
stage2 中等症 以下の2項目以上を満たす
・網赤血球  60,000/μL未満
・好中球    1,000/μL未満
・血小板   50,000/μL未満
stage3 やや重症 以下の2項目以上を満たし、定期的な赤血球輸血を必要とする
・網赤血球  60,000/μL未満
・好中球    1,000/μL未満
・血小板   50,000/μL未満
stage4 重症 以下の2項目以上を満たす
・網赤血球  20,000/μL未満
・好中球     500/μL未満
・血小板   20,000/μL未満
stage5 最重症 好中球 200/μL未満に加えて、以下の1項目以上を満たす
・網赤血球  20,000/μL未満

・血小板   20,000/μL未満

請求での注意点

再生不良性貧血では初診日の確定がまず最初の大きな難関です。 

それは初診が健康診断であったり、発熱や倦怠感で近医にかかるケースが少なくないからです。 

その後大きな病院に転院して再生不良性貧血と診断を受けた場合は健康診断や最初の診療所にかかった日が初診日となるからです。 

そして血液内科医は障害年金の診断書記入になれている先生は少数だと思いますのでしっかり診断書のチェックをしたいものです。 

また、治療により検査データは改善していきますが、まれに骨髄異形成症候群(MDS)や急性骨髄性白血病(AML)に移行する症例も報告されています。 

いずれにしても障害認定日・現在の状況をしっかり伝えましょう。

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血液疾患の請求はお任せください

当事務所代表の岡田は、白血病やリンパ腫、悪性腫瘍の染色体解析や白血球数や血小板数のカウントなどの血液検査に従事していた経験がある、日本国内で稀な社会保険労務士です。

その知識を元に、造血器・血液疾患の障害年金請求を支援しています。

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