クレアチニン(Cr)  <障害年金の検査>

クレアチニンとは

クレアチニンは筋肉運動のエネルギーとして代謝されるクレアチンの最終代謝産物であり、代謝後に残る老廃物のことです。クレアチニンは腎糸球体から濾過されほとんど再吸収されることなく尿中に排泄されます。

 

検査の意義

腎機能に異常を来している場合、クレアチニンの排泄が正常に行われません。このため血中クレアチニン値が上昇します。したがって血中クレアチニンの測定は腎での濾過機能の指標となります。

 

参考基準値

現在の本邦において採用率が高い検査方法は酵素法です。参考基準値を示します。

【血清】男:0.61~1.04 mg/dL  女:0.47~0.79 mg/dL
【蓄尿】男:0.70~2.20 g/day  女:0.40~1.50 g/day

以前はヤッフェ法(jaffe法)が採用されていることが多かったです。
この方法による血清における参考基準値は酵素法より0.2~0.3 md/dLほど高いです。

 

障害認定基準

腎疾患による障害の認定基準において慢性腎不全(CKD)およびネフローゼ症候群の異常値は次の通りとなっています。

【血清クレアチニン濃度(単位はmg/dL)】
軽度異常 :3以上5未満
中等度異常:5以上8未満
高度異常 :8以上

慢性腎不全(慢性腎臓病)の診断

慢性腎不全(慢性腎臓病)の定義を示します。

① 尿異常,画像診断,血液,病理で腎障害の存在が明らか。特に0.15 g/gCr 以上の蛋白尿(30 mg/gCr 以上のアルブミン尿)の存在が重要
②GFR<60 mL/分/1.73 m^2
①,②のいずれか,または両方が3 カ月以上持続する

日常診療ではGFR(糸球体濾過量) は血清クレアチニンと年齢,性別より成人(18歳以上)では日本人のGFR 推算式を用いて推算GFR(eGFR)として評価します。

 

(※法令、基準等は更新日時点の情報です。常に最新のものをご確認ください。)

 

 

【参考】
吉村 学 他:日本臨床,53-増-464~468,1995.
日本腎臓学会編 CKD診療ガイド2012
株式会社エスアールエル ホームページ
株式会社ビー・エム・エル ホームページ
オンラインガイド 『腎臓病とは』 ホームページ
検査ぶっく♪ ホームページ

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