アルブミン(Alb) <障害年金の検査>

アルブミンとは

アルブミンは肝臓で合成され血清総蛋白の約60%を占めます。膠質浸透圧を維持に関係しており、尿酸や遊離脂肪酸その他各種薬剤や色素などの物質との結合輸送に重要な役割を果たしています。

 

検査の意義

腎臓の糸球体の機能が低下している場合、尿中に蛋白質が漏れ出てしまい血清アルブミン濃度が低下します。また全身栄養状態や肝機能障害の検査として利用されています。

 

参考基準値

現在の本邦において採用率が高い検査方法はBCG法でしたが、徐々にアルブミンに特異性が高いBCP改良法が増えてきておりほぼ同数となっています。この2つの他にBCP法もありますが採用率は低いです。

【BCP改良法】3.8~5.2 g/dL
【 BCG法 】4.0~5.0 g/dL

BCG法と比べてBCP改良法では高値はより高い、低値はより低い数値となる傾向があります。

障害年金における血清アルブミンの取り扱いについて

2014年6月1日から「肝疾患による障害」の認定基準の一部改正が行われています。この中で「肝疾患による障害」においては血清アルブミンはBCG法での基準が示されており、BCP改良法(障害認定基準では「改良型BCP法」と呼ばれている)はBCG法に換算してから判断することとなりました。
肝疾患の判定に使われているChild-Pugh 分類では血清アルブミンはBCG法の数値を使うことなどが理由です。

なお、「腎疾患による障害」については現時点(2014年8月6日)では特段何も示されていませんのでBCG法とBCP改良法の数値の区別はされていません

障害年金の認定基準におけるBCP改良法(改良型BCP法)からBCG法へのデータ換算について

データの換算方法は日本臨床検査医学会が2013年の末に「血清アルブミン測定値についての提言書」を発表しており、これを用いることとなっています。

「単純にBCP 改良法でアルブミンが3.5 g/dl はBCG 法の3.8 g/dl に相当すると考え、3.5 g/dl 以下の場合、一律にBCP 改良法による測定値に0.3 g/dl を加えた値をBCG 法での推測値と近似するに留める。」
(「血清アルブミン測定値についての提言書」より)

即ち、(BCP改良法の数値) + 0.3 = (BCG法の推測値) となります。

 

障害認定基準

腎疾患による障害の認定基準においてネフローゼ症候群の異常値は次の通りとなっています。

・ネフローゼ症候群の基準

【血清アルブミン(単位はg/dL)】基準:3.0以下

参考-ネフローゼ症候群その他項目の基準
<1日尿蛋白量(尿蛋白/尿クレアチニン比)>3.5g/日(又はg/gCr)以上を持続する
<血清総蛋白>6.0g/dL以下

 

肝疾患による障害の認定基準においての異常値は次の通りとなっています。

【血清アルブミン:BCG法 (単位はg/dL)】
中等度の異常:3.0以上3.5以下
高度異常:3.0未満

 

(※法令、基準等は更新日時点の情報です。常に最新のものをご確認ください。)

 

【参考】
大林 民典:内科,71-6-1063,1993.
日本腎臓学会編 CKD診療ガイド2012
株式会社エスアールエル ホームページ
株式会社ビー・エム・エル ホームページ
日本臨床検査医学会 血清アルブミン測定値についての提言書
日本年金機構 平成26年6月1日から「肝疾患による障害」の認定基準を一部改正します
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