NT-proBNP <障害年金の検査>

NT-proBNP(ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント)とは

proBNPが切断しBNPとNT-proBNPが生成される。

proBNP → BNP + NT-proBNP

BNPは血管拡張作用や利尿作用を持っており、体液量や血圧の調整に重要な役割を果たしている。

一方NT-proBNP自体は生理活性がなく、腎臓を経由して尿中に排泄される。

 

検査の意義

このNT-proBNPはBNPの生成量を表している。このNT-proBNPの血液中の量を測定することはBNPとほぼ同義があると考えられる。

腎機能が低下している場合は尿中への排泄が進まず、結果として高値傾向となることに留意が必要である。

本項目はBNPとは違い、血清で測定出来ること(クリニックでは結果として採血量を減らすことが出来る)、採血後の数値の安定していることが特徴である。

大学病院等の大病院はBNPを、クリニックなどはNT-proBNPを測定する傾向がある。

参考基準値

【血清】125以下 pg/mL

 

障害認定基準

心疾患による障害の認定基準における異常検査所見の1つとしてBNPが記載されているが、NT-proBNPについての具体的な記載はない。

循環器疾患の障害用の診断書は2014年6月の変更により、従前のBNPのみの印字に加えNT-proBNPも記載されるようになった。

これにより、BNP未測定・NT-proBNP測定者の検査データ未記入が減ることと思われる。
NT-proBNPはNYHA心機能分類やBNP値と正相関があると言われている。

(※法令、基準等は更新日時点の情報です。常に最新のものをご確認ください。)

 

【参考】
清野 精彦 他:BIO Clinica 19(6):517~523,2004.
財団法人福島県保健衛生協会 小原 俊子 他:心不全マーカーBNPとNT-proBNPとの比較検討
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