【注目】ハーズバーグの二要因理論/定着・やる気向上アプローチ

2020年3月14日

 

ハーズバーグの二要因理論

ハーズバーグの二要因理論とは、アメリカの心理学者であるフレデリック・ハーズバーグ氏が提唱した理論です。

働く人の仕事に対する満足度やモチベーションを上げる要因は何なのか?逆に仕事に対する不満足を引き起こす要因何なのか?について研究し発表した理論です。

ハーズバーグの二要因理論とは、働く人が仕事に対して感じる「満足度」や「やる気」に関わる要素を2つに分けて考える理論です。

 

ハーズバーグの主張「動機付け要因」と「衛生要因」

ハーズバーグは、仕事における満足度は特定の要素が満たされると満足度が上がり、不足すると満足度が下がるものではないと言っています。例えば、給与が高い方が良いと考える人は多いのですが、実際もらい始めると高い給与も当たり前になってしまいます。即ち、給与が高いこと自体に満足感が無くなってきます。一方で、給与が安い仕事をしている場合や給与が引き下げられた場合はどうでしょうか?不満感が強くなります。このように「給与」は仕事に対する不満に関わる要素と言えます。
この二要因理論では、「満足」に関わる要因(動機付け要因)と「不満足」に関わる要因(衛星要因)は別のものであり、分けて考えるべきだとしています。

 

動機付け要因

仕事の満足に関わるのは、「達成」「承認」「仕事そのもの」「責任」「昇進」「成長」などが該当します。これらが満たされると満足を感じる人が多いのです。一方で、満たされていなくても不満足を感じる人が多いわけではないようです。

 

衛生要因

仕事の不満足に関わるのは「会社の方針と管理」「上司の存在と関係」「労働条件」「給与」「同僚との関係」「個人の生活」などが該当します。これらが満たされないと不満足を感じます。一方で、満たされていても満足を感じる人が少ないようです。

 

人事労務への応用

・従業員のモチベーションを上げるにはどうしたらよいか?
・求人に対する応募を増やすにはどうしたらよいか?
・離職者を減らし定着率を向上させるにはどうしたらよいか?
・上司と部下の人間関係を改善するにはどうしたらよいか?
・高齢者と若年者のコミュニケーションを向上させるにはどうしたらよいか?

このような悩みを抱えている企業は少なくないと思います。この理論を参考に社内の処遇や福利厚生の改善をしてみるのも良いかもしれません。

 

動機付け要因に関わる施策例

・お互いを尊重し、成果や行動について承認しあえるようなトレーニングを実施する
・人事評価を行い、その成果や結果について評価者との面談で共有する
・やや難度の高い仕事を任せる。権限移譲する

 

衛生要因に関わる施策例

・会社の理念やビジョンを浸透させる。・クレドの作成、行動指針の実践
・お互いの持ち味を理解し、コミュニケーションが向上するような研修を実施する
・制約があっても働けるように多様な働き方を認める

 

おわりに

動機付け要因と衛星要因のどちら一方に特化して対策するより、両方バランスよく対策する方が効果的です。
また、この理論を実践するにあたり経営上の制約もあります。理論自体にも限界があるかもしれません。ですが、何もしないと何も変わりません。無理であると諦めたら思考停止し、試合終了です。是非、工夫しながら実践してみてください。

 

注目記事

ダイバーシティ・マネジメントが上手くいかず離職者が多い時の対処法とは?